TREMOLO [ANNEX]

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お互いが大好きで色々積極的な岩神と風神の話



「朝、お前の眠りを邪魔しなければいいんだな?」
「え。何その言い方。全く違う意味に感じるのはボクの気のせい?」
「さぁな」
 薄く笑う男の笑みは意地悪なもの。
 絶対に安眠を妨げないという意味の言葉ではないと察したウェンティは、向けられた笑顔に笑顔を返す。そして―――。
「何処へ行く気だ」
「ぎゃっ」
 急ぎベッドから降りようとしたが、一瞬遅かった。
 伸びてきた腕はウェンティの身体に巻きつくと、そのままぐいっと彼の胸に引き戻されてしまった。
「もー。何するの」
「お前が逃げようとするからだろうが」
「『起こさなければいくらでもエッチしていい』って解釈されたら、誰だって逃げるよ」
「先の言葉はそういう意味だろう?」
「そんなわけないでしょ」
 分かっていて聞いてるでしょ?
 そう睨みを利かせれば、とぼけたようにそうだったのかと驚きの表情を見せる鍾離。あからさまな態度に腹が立つ。
 そして、自分の腰を撫でる手が優しいことにもまた腹が立った。
「ボクの事、ちょろいと思ってるんでしょ」
「? 何故そんな解釈になる? お前を愛しているから触れていたいと思っているだけだぞ?」
「嘘くさい!」
「心外だ」
 鍾離に触れられたら、やっぱり嬉しい。だって大好きだから。きっとそれを彼は見透かしているから、こんな風に触って来るに違いない。
 そう疑ってかかるウェンティ。すると鍾離は驚いたように目を見開き、そして笑った。
「なるほど。俺に触れられると、全てを許してしまう。と、そういうことか?」
「だからそうだって――――、え、気付いてなかったの?」
「気付いていたら、もっとそれを有効活用していると思わないか?」
「それは、思う、けど……」
 鍾離の言葉に素直に同意を示せば、腰を撫でていた手は強い力で抱き寄せてきて、より二人の体躯は密着した。
 引きしまった逞しい身体に抱きしめられるウェンティは、自身に触れる鍾離の興奮をまざまざと感じ、堪らない気持ちになってしまう。
「……昨日も散々エッチしたのに、元気過ぎない?」
「俺もそう思う。だが、お前が傍にいるとどうにも我慢が利かない」
 欲を覚えても己の理性で制御できていた頃が、今はもう懐かしい。
 そう言って笑う鍾離に、其処は自分も同意するとウェンティも笑った。
「こんな風に誰かとくっついていたいなんて、思うようになるとは思わなかった」
「随分と愛らしいことを言ってくれるな。その言葉は同意と捉えられても文句は言えないぞ?」
 甘えるようにくっついて来る愛おしい存在に、鍾離の手は腰から下へと下がってしまう。



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2024-08-02 公開



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