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「ああもう。傷は塞いだけど完治したわけじゃないんだから無理しないでよね」
「ごめんごめん。でも、ありがとう。君もかなりの重傷だったはずだのに俺まで助けてくれるなんて風神様の慈悲深さには頭が下がるよ」
「ボクもそう思うよ。本当なら見殺しにしても文句は言われなかったと思うし」
「あはは。そりゃ間違いない」
「だよね」
軽口に軽口を返してくる少年は案外話が分かるようだ。今度は『手合わせ』ではなく『友人』として食事に誘ってみようと思うタルタリヤ。
するとそんな青年の心を読んだのか、少年の隣に立つ鍾離が何やら威圧を感じる笑顔をこちらに向けていて実に心臓に悪い。
「本当なら自業自得のことだけど、でも君が死んだら咎を負う人がいるからね。……そんなの、放っておけないでしょ?」
だから何としてでも助けないと! って結構無理したんだから。
そう言って笑うウェンティはタルタリヤに一つの約束を持ちかけた。
「こういうことは、この一回で終わらせてくれる? お互い余計な心配はしたくないから」
「それは、助けられた代償ってことかな?」
「恩を売るつもりはないよ。でも、次は助けないからね。君も君の無事を祈る家族を悲しませたくないなら賢明な判断をしてもらいたいな」
「それってほぼ脅しじゃないか」
「君が無茶苦茶しなければ済む話でしょ。人聞きの悪い事言わないでよ」
まさか懲りてないの?
そう目を見張るウェンティだが、タルタリヤは苦笑を漏らし「十分懲りたよ」と小さく頷きその約束を交わすことを伝えた。
「その言葉に二言はないな? 此処は璃月、契約を重んじる国だ。此処で交わした契約は命よりも重い」
「分かってるよ、先生。約束―――契約はちゃんと守るよ」
「ならば、俺がこの契約の立会人になろう」
交わした契約が破られた場合は相応の代償を払うことになることを告げる鍾離。タルタリヤはそれに頷き、ウェンティもまた同意した。
契約締結を見届けたタルタリヤはベッドに全身を預け深い息を吐く。
敵わなかった。どれほど力を追い求めたところで追いつける相手ではないと、『魔神』という存在の凄さを見せつけられた。
まさに完敗だったと熱望した一戦に想いを馳せるタルタリヤは「鍾離先生」と遠い存在の名を呼んだ。
「どうかしたのか、公子殿」
「遊びでいいから、偶には『手合わせ』、してよ。風神様―――ウェンティ君には絶対ちょっかいかけないからさ」
「全く懲りていないのか?」
「懲りたよ。懲りたから、直接交渉してるんだよ」
呆れたと頭を抱える鍾離に悪戯に笑うタルタリヤ。ウェンティは鍾離の背をポンと叩くと、「偶になら遊んであげたら?」と苦笑を見せた。
やっぱり風神様は話が分かる。
そんなタルタリヤの笑い声に二人の神は呆れながらもつられて笑う。