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(でも、ぼくたちは『ひと』じゃない……)
ふと頭を過る光景はいつか見た『人』が命を育んだ結果を示すもの。
幸せそうに笑いモンドの地を照らす、愛しい『人』の姿。
そしてその光景に重なるのは自分立ちの姿で―――。
「……ねぇ。もらくすも、あかちゃん、ほしぃ?」
「俺『も』ということは、お前も求めていると思ってもいいのか?」
それとも、発情期を迎えた者達の思考を当て嵌めているのか?
問いかけてくる男は聡明なくせに愚鈍だ。
ウェンティは頬をプクリと膨らませ、何故今愛し合っている自分達が無関係な他者のそれについて語らねばならないのかと番を責めた。
「すまん。お前が『ソレ』を望んでいないのならば、答えるべきではないと思っただけだ」
「なら、『ほしぃ』ってこと?」
「ああ。……本当ならばもう一〇〇〇年はお前との蜜月を楽しみたかったが、そう悠長なことを言っていられなくなったからな」
「? どーいうこと?」
「お前が俺のモノだという明確な『証』が欲しい」
「ぼくはきみのつがいなのに、たりないの?」
「俺はお前が俺のモノだと知っている。だが、他者はそうではないだろう?」
番ったことで絆を感じているのは自分達だけ。
他者からすれば自分達の関係は『伴侶』や『夫婦』、『恋人』のいずれかではあるのだが、『番』程の絆があるとは思われていないだろう。
だから、ウェンティに恋慕する愚か者が出てくるのだ。
「だがもしも子が居れば、幾分マシになるだろう?」
「そんなりゆうなの?」
「それ以外の理由があるのか?」
「ぼくはきみとかぞくになりたいから、あかちゃん、ほしいよ」
周囲に知らしめるためではなく、愛し合っている証のため、子作りをしたい。
「ぼくたちの『あいのけっしょー』、だっこしたくない?」
きっと凄く可愛いよ?
服を脱がす男に、想像してみてとウェンティは誘った。
「…………ダメだ」
「え?」
「やはり、まだ子は要らん」
「え? え? なんで??」
「俺の寿命が縮む。確実に」
「えぇ?? なんでそうなるの??」
もしかすると自称『凡人』な彼はあたたかい家庭の想像ができないのだろうか?
「お前が俺達の子を抱いて帰りを出迎えてくれる様を想像したが」
「『したが』?」
「愛おしすぎて、無理だ」
「……ん?」
「想像だけでこんなにも鼓動が早くなるのだから実際に目にすれば間違いなく俺は死んでしまう」
ダメだ。愛らしすぎて、無理だ。お前達を此処に閉じ込め、全ての禍から守らなくては。
何を想像しているのだろうかとウェンティが目を瞬かせていれば、妄想を終えた鍾離が真顔で
「子を成すのは予定通り一〇〇〇年後だ」
なんて宣言をしてきた。