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この身に愛を注がれて果てたい。
恋人から甘い声で誘われて断るなんて、男ではない。鍾離は口角を持ち上げ男臭い笑みを浮かべると「孕ませてやる」と乱暴なまでに恋人の身体に己を楔として打ち込んだ。
身体が揺さぶられる度に仰け反り喘ぎ悶えるウェンティ。恋人が齎してくれる快楽全てを余すところなく受け取りたいと願うあまり快楽を増幅させるよう腰を揺らしていることは、意識してのことだろうか?
「モラクスっ、早くっ、おねがい、はやくっ、ボク、ボクもう、いくっ、いっくぅぅ……」
「っ―――、バルバトスっ」
襲い来る快楽の波に絶頂を堪えるのはもう無理だと悲鳴を上げ、胎を震わせるウェンティ。全身を痙攣させ、言葉にならない声を漏らして快楽の余韻を堪能する姿は欲望に塗れて神々しさとはかけ離れていた。
鍾離は今一度ウェンティの腰を己に引き寄せ、最奥に男根をこすりつける。先端からはどぷりと子種が断続的に吐き出され、番の胎に種を植え付けようとしているのだろう。『人』が無意識に植え付けられた繁殖の本能に従い番がより確実に孕むようその体躯を抱きしめれば、上擦った声が震える唇から零れた。
「お前のナカは、あたたかいな……」
「んっ、もらく、まだ、出てるっ」
「お前とこうするのも久しぶりだからな。まだ足りないぐらいだ」
「うそぉ」
「悪いがまだ付き合ってもらうぞ」
「んっ――、ちょ、一回抜いてっ、おなかくるしぃ」
柔くなりかけた鍾離の男根が再び硬度を取り戻しそうになっていると気づいたウェンティは慌てて行為の中断を願い出る。それが聞き入れられるとは思ってはいないが、『もしかしたら』という僅かな可能性に賭けて。だが、予想通り鍾離はウェンティの願いを却下し、抽挿を再開する。
二度にわたり注がれた子種はまだ胎の中。ウェンティが覚えるのは満腹感にも似た腹部の膨張だ。きっと注がれた子種の量はいつもよりも多く、そして濃いものだったのだろう。今までよりもずっと苦しいと訴え、受け止めた子種を胎の外に出したいと泣きだしたものの、その声は鍾離には届かない。それどころか、胎に収めたまま更に子種を呑み込めと強要してきた。
「無理っ、無理だってば、モラクス、苦しいってばぁぁ」
「だがお前の胎はもっとと強請っているぞ」
もっと子種が欲しいんだろう?
そう言って身体を揺さぶられれば生まれる快楽が勝ってしまう。苦しいのに気持ち良くて訳が分からなくなるウェンティはただひたすらに甘い声を奏でて恋人の愛を受け入れた。まさかそれがこの後数度にわたり繰り返されるとは思わなかったが。
*
抱き潰すという言葉を実行に移していた鍾離は夜明けが近いことに気付いて漸くウェンティを解放した。日付が変わる前から既に意識を飛ばしていた恋人はこと切れたように眠りに落ち、無理をさせ過ぎたと反省した鍾離はせめてもの罪滅ぼしとばかりに情事の痕を丁寧に拭ってやった。寝間着を着せ念のためと用意していた別の寝室へと恋人を運びふかふかのベッドで眠る姿を眺め、安眠に良いと勧められた香を焚く。
月明かりに照らされ髪色は深みを増し、美しいその絹糸であそぶように頭を撫でれば寝息の合間に小さな声で名前を呼ばれた。幸せそうな寝顔に鍾離は穏やかな笑みを浮かべ、剥き出しになった額にそっと口づけを落とし、また寝顔を眺め静かな時を過ごす。
これまでも当たり前のように続いていた夜。数時間もすれば、夜と同じく当たり前のようにいつも通りの朝が来る。だが、好戦的な青年の好奇心のおかげで『いつも通り』がずっと続く保証は何処にもないということを思い出してしまった。
鍾離の脳裏に過るのは、まだ新しい記憶。愛しい人が血だまりの中でピクリとも動かないその光景は、思い出す度指先が冷たくなる。
無事でよかった。と、何度も何度も抱きしめた。だが、それでも足りず、今宵は体力の限界を超えて抱き潰してしまった。
熱を分かち合ったことで不安は幾分マシにはなったが、きっとこれは永劫消えることはないだろう。それは『唯一』を得た証拠なのだから。
鍾離は穏やかな寝息を立てるウェンティを起こさぬよう口づけを落とし、「愛している」と恋人の無事を喜んだ。