TREMOLO [ANNEX]

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狂戦士の誤算 その後の話

11



 カプカプと何度も歯を立ててくる恋人に、鍾離はもっと強く噛めと頭を抑える。気遣う故の甘噛みだと言うことは理解しているが今はそれよりも本心が欲しかった。
「お前のものだと好きなだけ刻め」
 その代わり、自分も存分に刻ませてもらう。
 そう言ってウェンティの体躯を揺さぶれば聞こえるのは唸り声。そして、肩に走るのは痛みだ。
「もら、くす、ばかぁ」
「ああ。俺も愛してる」
「ばかぁああ」
 悪態は言葉だけ。態度は『大好き』と物語っていて、愛おしい。
 鍾離は耳朶に唇をよせると「俺はお前だけのものだ」と囁きを落とし、頭に響く様にわざと音を立てて耳を舐めまわしてやった。
「おねがっ、やだっ、やだやだやだぁぁ」
「そんなに嫌なら、やめるか?」
 奥を突く度甘い声を響かせてしがみついてきているのだ、本心から嫌がっているわけではないということは知っている。知っているが、『嫌だ』ばかりでは流石に辛い。愛し合っているはずなのに一方的な暴力を振るっているような気にさえなる。
 鍾離は抽挿を止め、愛しい人の顔を覗き見る。汗と涙のせいで額に、頬に張り付いている美しい髪を退けるようにその輪郭をなぞり、今此処で中断するのは辛いが、本心からの拒絶であれば続けるわけにはいかない。と、額に口付けを落とす。
 既に射精感が昂っている状況は恋人を受け入れているウェンティには当然伝わっている。だが、それでも中断することに後ろめたさを感じる必要はないと伝えるのは、愛し合う行為は互いの想いが一致していなければ意味が無いものだからだ。
 遠慮などせず、本心を言って欲しい。愛しているからこそ、大切にしたい。
 そう言葉を添える鍾離に、ウェンティは表情を泣きそうに歪めた。
「モラクスのいじわるぅ! 分かってるくせにっ! 分かってるくせにぃ」
「意思の疎通は大切な事だろう? ……羞恥故の言葉だとは分かっているが、『嫌だ』ばかりではその自信が揺らいでしまう」
「本気で嫌なら、抱きついたりしないでしょ」
「ああ。足まで回してしがみつかれると良い気分だ」
「なら聞かないでよっ」
「怒るな怒るな。ただ今日は、今日だけは何故か無性にお前から求められたいんだ」
 腕の中にすっぽりと納まる体躯を優しく抱きしめ、本能のままに求め合いたいと懇願する鍾離。情事の最中とは思えないほど優しい抱擁に、ウェンティはおずおずとその背に手を回し抱き返すと「ボクこそ、ごめん……」と拒否の言葉ばかり紡いでしまったことを素直に謝った。
「! んっ、なんでおっきくするのっ……」
「すまない。お前があまりにも愛らしいことをするから我慢できなかった」
「ま、またっ! これ以上おっきくしないでよぉ」
「無茶を言うな。番に欲情するなというのか? それこそ根本的に無理な話だぞ」
「! んあぁっ、モラクスっ、奥、おく、きもちぃっ、おかしくなるってばぁ!」
 鍾離の腰に足を巻き付け抱き着いているせいで、ウェンティの身体を支えているのは恋人の腕のみ。それ故、恋人が己の腰の動きに合わせてウェンティの身体を落とせば、繋がりは正常位での交わりよりも深くなってしまうのは当然だった。
 人体の構造的に異物が侵入してはいけない箇所まで貫かれているのに、痛いどころかただただ気持ちいい。いや、この快楽は『気持ちいい』なんて可愛らしいものではない。下手をすれば気が狂ってしまいそうなほどの強烈な快感だった。
 ウェンティは先程とはうってかわって素直な言葉で甘い声を漏らし、『もっと』と恋人の『愛』を求めた。
「おかしくなればいい。そうすればお前を此処に閉じ込め四六時中抱き潰せる」
「ば、かっ。っ、あぁっ、そこっ、そこもっと突いてっ、奥、ぐりぐりしてぇぇっ」
「恥じらうお前も愛おしいが、やはり素直なお前が一番クるな」
「あぁん! モラクス、イく、またイっちゃうっ」
「ああ、何度でも果てればいい」
「だめ! いっしょ、モラクス、一緒にイきたいっ」
 ウェンティは鍾離を見つめ、「おねがい」と嬌声を響かせた。



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2023-08-12 公開



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