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焦点の定まっていない瞳には涙に潤んでいて思わず舐めたくなる。だが、鍾離が涙を舐めとるよりも先に切ない体躯を持て余したウェンティが恋人の首に回していた手を離し己の胸元を弄ろうとしているから、まずはそれを止めないと。
「こら。一人で楽しもうとするな」
「モラクスが触ってくれないからでしょぉ」
「ああもう、愚図るな。ちゃんと触ってやるから」
手首を掴まれたウェンティは顔を歪め、今にも泣きそうな表情で不満を訴えてくる。駄々っ子のように『早く』と急かしてくる少年に鍾離は苦笑を漏らした。少年が自身とこういった関係になるまで他者との触れ合いはもちろん色恋沙汰など無縁だったと彼は知っているからだ。
(肉欲とはなんとも業が深い)
普段の少年は悪戯好きではあるものの、欲など知らぬと言わんばかりに純真無垢そのものだ。しかし今はどうだろう? その穢れなど知らないだろう容姿とは真逆の色に染められているではないか。
男を求め、誘うように身を寄せてくるウェンティ。その胸に鍾離が手を添えれば、色づいた体躯は期待に跳ね、今か今かと熱を帯びた眼差しで己の胸元を見つめている。
恋人の煽情的な姿に、どうしたって下肢は反応してしまう。愛した時の快楽を知っているからこそ、我慢するのは一苦労だ。
鍾離は暴走しそうになる己の欲をなんとか抑え、優しく撫でるように淡い桜色の突起に触れた。
「んっ――、もら、くすぅ、やだぁ……」
「何が嫌なんだ? 触れと言ったのはお前だろう?」
分かっているのに聞いてしまう。他者を詰る趣味など一切ないはずなのだが、自分にこんな意地が悪い一面があると知ったのはウェンティを初めて抱いた時だった。
鍾離は意地悪く笑みを浮かべ、触っているだろう? と少年に見えるように優しい手つきで突起を押しつぶす。ぴくんと身体を撥ねさせるウェンティは熱の籠った吐息を吐き、「じらさないでよぉ」と震える声と涙目で懇願してきた。いつものように触って欲しい。と。
妖艶なその姿は理性を奪う。できることなら望まれるまま衝動に身を任せ身体を繋げたい。だが、それはできないとなけなしの理性が訴える。恋人に怪我をさせたいのか。と。
前に恋人を抱いたのは青年と再会する前。つまり何週間も前のこと。男を受け入れるよう慣らされた少年の身体がそのままであるとは思えない。丁寧に体躯を解かねば、痛い思いをするのは挿れる側の鍾離ではなく受け入れる側のウェンティだ。だからこそ、早くと急かす恋人の甘い誘惑にはまだ乗れない。
色白の肌は淡い朱色を帯び男を魅了する色香を放つ。まるで雄を惑わす艶めく様に鍾離は咽喉を鳴らし、思考を侵略してくる欲の威力を思い知った。
恋人を思いやり、己の欲を堪えようとする意志は変わらない。
だが彼はピンと尖った桜色の突起を吸い舐めることで発せられる声がどれほど甘いか知っている。そして、猛る己で幼さの残る体躯を貫いた際に生まれる快楽も味わってしまっている。
理性をかき集め紳士的であろうとする反面、傍若無人なまでに恋人を組み敷き最奥まで何度も突き上げてやりたいと獣のような荒ぶりが全身を蝕んでゆく。
「モラクス、ねぇ、早く、も―――我慢、できないっ」
暴走しかける自身と必死に戦っている鍾離に追い打ちをかけるのは、もちろんウェンティその人だ。色情に支配された思考は何処までも欲望に忠実になり、行動は大胆なものになる。
戯れのように触れてくる恋人の腰に足を絡ませ、互いの局部が密着するように引き寄せてくるウェンティ。布越しとは言え昂った身体の一番の性感帯を擦られれば、快楽が生まれるのは当然だ。そして生まれたそれは背中を這いあがり、脳を侵す。
鮮明な刺激は過去の記憶から類似するものを掘り起こし、これがどのような行為によりもたらされ、どのような影響を脳と身体に齎すかをリンクしてしまった。
恋人と愛を育む営みは今の比でないほどの快楽を生み、また、言葉では言い表しがたい幸福を与えてくれる。
これまで幾度となく交わりその度に得た感情は鍾離から紳士の仮面を剥ぎ取ってゆく。
恋人に触れ、愛し尽くしたい。
自身が齎す快楽に身を任せ喘ぎ甘えてくる姿を一刻も早く見たい。
気が付けば思考は情欲に塗り替えられていた。