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瞬きもせず見つめてくるペリドット。
鍾離は「安心しろ」と友人から恋人へと視線を移した。
「アレがそれを許さない」
幼子とじゃれている姿を愛し気に見つめる男の眼差しは先程とは打って変わって優しいものになっている。
ナヒーダは小さく肩を竦ませ、『岩の魔神』の生殺与奪を握っているのは鍾離ではなくウェンティであることを理解した。
「そう。なら、私は彼が成長してもそれが変わらないことを願うわ」
「やはり打つ手はないということか」
薄々分かっていたこととはいえ焦燥を覚えてしまう。
この先自分と同等の存在が番の傍に居続ける。
それは想像するだけで酷いストレスだ。
(時機を見て追い出すしか手はないか……)
出来る限り早急に手を打とう。番に邪な心を抱かれては、放置することも出来なくなってしまうから。
これから幼子をどうするべきか考え込む鍾離。
その姿にナヒーダは笑った。貴方が早合点をするなんて。と。
「……それはどういう意味だ?」
「言葉通りの意味よ。私は貴方の問いかけを肯定していないわ、鍾離先生」
「ああ、確かに肯定はされていない。だが、策が見つからない場合の俺の出方を尋ねただろう? あれでは肯定と捉えても致し方ないと思うのだが?」
「確かにそうね。先程の質問は単なる私の好奇心。誤解を与えてしまったことを謝るわ」
「『好奇心』か。なるほど。知恵の神ならではの欲望ということか」
視線をナヒーダに戻す鍾離の目は笑っていなかった。
憤りすら感じるその眼光に、ナヒーダは苦笑いを浮かべて今一度謝罪する。
「ごめんなさい、鍾離先生。ちゃんと説明するから怒らないで」
「俺の方こそすまない。だが、此方が感じている『危機』について理解してもらえるとありがたい」
「ええ。貴方の言う通り私の配慮が足りなかったわ」
ナヒーダが視線を向けた先には此方の様子を伺っている友人と幼子の姿が。
緊迫した空気にウェンティは心配しているようだ。
「どうかしたの?」
「それはボクの台詞だよ。どうしてそんなにピリピリしているのさ?」
おかげでモラクスが警戒しちゃってるよ。
幼子を守るようにその身を挺するウェンティの姿はやはり子を守る親のようだ。
ナヒーダが苦笑いを浮かべたまま鍾離を見上げれば、彼は苦虫を嚙み潰したような顔をしていた。