TREMOLO [ANNEX]

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神様プレイ



「ねぇ、『凡人』になったから身体もそれに合わせて作り替えたの?」
 うつ伏せになって枕に顔を半分埋めたままウェンティが質問を投げかけるのは、愛おしそうに髪を撫でている鍾離の姿に関するモノだった。
 手を止めることなくどういう意味かと尋ねてくる鍾離。
 ウェンティは情事の後の気怠い体躯を僅かに動かし、自分の髪を撫でる男の腕に手を添えた。
「この腕。まるで『凡人』みたいだ」
「凡人だからな」
「でも、昔は違ったでしょ? 少なくとも、500年前とは全然違うよ」
 この腕に何度も抱かれたから間違えようもないと言うウェンティは、『人』と遜色ない肌の色をした腕に指を這わせた。
 それに鍾離は今更だと笑った。
 確かに『人』として生きる選択をした際に身体を作り替えたわけだが、それからもう一〇年近く経っている。
 その間も、何度も何度も愛し合ってきたのに、なぜ今それを聞いて来るのか。
 理由を教えてくれと言いながら彼の表情に浮かぶのは悪戯な笑みで、どうやらウェンティの思惑を察しているようだ。
 バレているのにわざわざ言葉にするよう求めてくる恋人にウェンティが見せるのは膨れっ面。意地悪なエッチの後は優しくしてって言ったでしょ! と。
「ふむ。アレは『意地悪』になるのか」
「どう考えても『意地悪』でしょ。鏡の前でするとか本当、すっごく恥ずかしかったんだからね!」
「ああそうか。お前は恥ずかしい方が感度が上がるんだったな。忘れていた」
「モラクス」
「すまん。冗談だ」
 ぎろりと睨むものの、鍾離はくすくすと笑っている。
 迫力が無いことは分かっていたが、もう少しそれらしく振る舞ってくれても良いのではないだろうか?
 そんなことを考えながら枕に顔を埋めるウェンティは「意地悪なモラクスとはもうエッチしない」と自分も堪えられない罰を口にした。
 それは困ると髪を撫でる手を止め顔を覗き込んでくる鍾離。恥ずかしがらせたことは謝るから撤回してくれ。と。
 言葉が本気でないことは分かっているだろうに、この必死さ。一週間――いや、一日でも触れられない日があると調子を崩すのにこの先永劫触れられないとなると死活問題だなんて言いながら。
 あまりに必死になってご機嫌をとって来る姿に、ウェンティはおかしくなって吹き出してしまう。
 枕に埋めていた顔を上げ、寝返りをうってうつ伏せから仰向けに。すると不安げな鍾離の顔を見ることになって、また笑えてきた。あまりにも愛おしくて。
「もぉー。そんなにボクとエッチしたいの?」
「ああ。したい」
「一緒に暮らすようになってから毎日のようにエッチしてるのに?」
「? それが何関係あるのか?」
「だから、毎日だと飽きない? ってこと」
「…………お前は飽きているのか?」
 不安げだった表情に絶望が滲む。
 嘘だと言ってくれと言わんばかりに縋る眼差しを向けられたウェンティは、カッコいいのに可愛い恋人の姿に堪らないとばかりに抱きついた。
「そんな顔しないでよ。こんなに大好きなのに飽きるわけ無いでしょ?」
「その言葉、無理をしていないか?」
「してないよ。……ねぇ、本当かどうか、確かめてみない?」
 薄く唇を開き赤い舌を覗かせるウェンティ。妖艶に笑う姿に鍾離は言葉より先に唇を塞いで応えた。





2024-03-12 公開



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