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舌を絡めとる鍾離の舌はウェンティのモノよりも大きく分厚い。
あっという間に口の中が鍾離でいっぱいになってしまって、それがどうしようもなく幸せだと思うウェンティ。
鍾離の首に腕を巻き付け、隙間なく引っ付いていたいと引き寄せれば、力強い抱擁が返ってきた。
ちゅくちゅくと唇から漏れる水音は気持ちを更に盛り上げてくれて、自分を求めるこの愛おしい存在にめちゃくちゃにされたいと願ってしまう。
このまま――口付けながら身体を繋げて奥まで一気に熱を埋め込んで欲しいと欲を覚えたウェンティだったが、願いとは裏腹に呼吸がしやすくなってしまった。
「モラクス……? ちゅー、もうおわり……?」
嫌だと訴えるように舌を出して鍾離を誘えば、彼は舌の先に吸い付くようキスをしてくるもまたすぐ唇を離してしまう。
キスはもうしないということだろうか?
ウェンティは眉を下げ、寂しいと訴える。
すると鍾離はにやりと笑い、口を開いた。
「安心しろ。先の問いの答えを聞いてからお前が満足するまで塞いでやる」
「? なんのこと?」
「何故今になって凡人となったこの身体を気にした?」
唇が寂しいだろうからと人差し指を添えて唇をふにふにと圧し揉んでくる鍾離の笑みは意地悪なものだった。
だが、早く鍾離からのキスが欲しいウェンティはそんなことに構ってられず、唇に添えられた人差し指をぺろぺろ舐めながら先程は隠そうとした『本音』を吐露した。
「さっきのエッチのときに、昔、思い出したから……」
「昔とは?」
「君がまだ、『鍾離先生』じゃなくて、『モラクス』だった頃の……」
唇に触れていた鍾離の指が離れてゆく。
淋しいと舌で追いかけるウェンティだが、指よりも欲しかったもの―――鍾離の唇が代わりに与えられてうっとりしてしまう。
「つまり―――、この腕の頃か?」
口の中がまた鍾離で満たされていて幸せだったのに、また離される。
淋しいと嘆くウェンティだったが、眼前に晒された彼の腕が先程までの『人』のモノではなくなっていたことに驚いた。
肩にかけて黒ずんでゆく腕に走る岩の文様。一目で人外のものと分かる腕は、彼がかつて象っていた人型のそれだった。
久しぶりに見た恋人の昔の姿の片鱗に、鼓動が早くなる。
今の鍾離も勿論大好きだが、昔の――神様だった頃の鍾離も大好きだから仕方ない。
思わず岩の文様が刻まれた腕に見惚れていれば、こっちを見ろと口付けられた。
琥珀を見つめれば、優しく細められる瞳が愛おしい。
「もらく――」
「バルバトス。一つ取引をしないか?」
そんな目で見ないでと恥ずかしそうに瞳を伏せるウェンティの耳に届いたのは、なんとも楽しそうな声。
彼が言う『取引』と何か、鍾離のことしか考えられない今の思考では『答え』など分かるはずもなく、素直にそれは何かと尋ねるウェンティ。
すると彼はにやりと口角を持ち上げると、笑みをたたえたままこんな『取引』を持ち掛けてきた。
「お前がバルバトスの姿に戻るというのなら、俺もモラクスの姿に戻ろう」