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あれから快楽に堕ちたウェンティはこれまでにない程鍾離を求め、淫らに踊った。
愛を紡ぎながら腹上で快楽を貪る番の姿に鍾離が味わったのは、まさに生き地獄だった。
ハラに何度も『愛』を蒔きながらも自らが動くことは一切できない。
腰を突き上げることはおろか、舞う番の滑らかな肌に触れることすら許されない営みは拷問と呼ぶに相応しいものだった。
だからだろうか。繰り返し欲望を吐き出したにも拘らず、それは治まるどころか格段に増していた。
「モラクス、大好き……」
抱きつくウェンティが纏っているのは確かな色香。
だが、体力が尽きて欲よりも眠気が勝っているようだ。
これから一ヶ月以上も続く番の発情期。
兆しは在れどまだ発情していない鍾離は、このままでは引き摺られて一週間以内にそれが起こってしまうだろうとある種の恐怖を覚えた。
「……バルバトス」
「なぁに?」
甘えてくる愛おしい存在の髪を撫でてやりたい。頬を擽り、口づけを落としてやりたい。
これまで当たり前のように行っていた営みが出来なくなって初めて鍾離は自分が如何に恵まれていたかを痛感した。
「発情を抑える薬を煎じれば、飲んでくれるか?」
「いいよ。でもそれって、……無くなったりしない?」
恥ずかしそうに上目遣いで尋ねてくるウェンティは何を気にしているのか。
言葉が足りず、本来ならば読み解くことは出来ないだろう。
だが、鍾離にはちゃんと伝わっていた。
「大丈夫だ。飲むのを止めれば一日もせず俺を求めるようになる」
だから安心しろ。
目尻を下げ微笑む鍾離。ウェンティは良かったと同じ笑みを返した。
「あ。でも、一つ訂正」
「なんだ?」
「発情期じゃなくても君が欲しいって思ってるから、其処はちゃんと訂正して」
「! すまん。言葉の綾だ。……薬を飲まなければきちんと発情する」
「うん。なら、いいよ。……『約束』を遂げたら、暫く洞天に籠ろ?」
「もとよりそのつもりだ。既に往生堂には長期休暇を届けて受理されているからな」
恋人と旅行すると言って二ヶ月程休みを貰った。
ちゃっかりしている鍾離にウェンティは笑う。
「なら、後一週間は頑張って働かないと、だね」
「ああ。今はその方が幾分気が紛れるだろうからな」
暇を持て余せば、その分お前のことを考えてしまう。
番を見つめる琥珀に宿るのは、愛しみと劣情。
愛しい彼から貰った眼差しは眠気に押されていた欲望を刺激した。
後一週間と少し。きっとそれはこれまで以上に一日が長く感じるものになりそうだ。