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しかし、そうすることが出来ない理由が今はあった。それは他でもなく、『約束』という名の制限によるものだ。
薬で抑えているとはいえどもウェンティは既に発情期を迎えている。
そのため、どうしても色香は漏れ出し、番を誘うフェロモンを纏っているウェンティ。
番である鍾離の身体は否応なしに反応し、引き摺られてしまっていた。
だからこそ鍾離は他の事に意識を向け、これ以上ウェンティへ劣情が募らないよう心掛けているのだ。
それなのに暇を与えられてしまえば、意識が番に傾倒することは避けられない。
結果として待っているのは、『約束』の反故。それは死ぬ物狂いで耐え忍んだ四週間という日々が無に帰すことを意味していた。
(また一ヶ月我慢しないとダメとか、それは流石に……)
薬で乗り切ることは不可能だ。
かといって発情期を終えてから再び『約束』を果たすため努力することはしたくない。いや、正確には『出来ない』と言った方が正しいだろう。
何故なら彼を愛しているから。
分かっていても、抱きしめ返してもらえないことが寂しかった。
触れてもらえないことが、恋しかった。
だから後数日、なんとしてでも乗り切らなければならない。
「んんん? 鍾離さんもウェンティさんも、どうしてそんな神妙な顔をしているの?」
「えっと……、ボクのせいで胡桃の信頼を無くしたことが申し訳なくて……」
「いや、これは俺が未熟であることが原因だ。お前は悪くない」
「そんなこと無いよ。ボクが心配をかけてしまっているから君も落ち着かないのだろうし」
「伴侶を心配することは当然だろう? それを悪だと思ってくれるな」
「! うん……、分かった……」
優しい彼が伸ばした手は途中で止まる。
それがやっぱり悲しくて、ウェンティは俯き鍾離への想いを募らせた。
想いに比例して増すフェロモン。鍾離は思わず後退り、鼻孔を覆い隠すよう袖を当てた。
「ご、ごめんっ」
「大丈夫だっ」
大丈夫なわけがない。それなのにどうしてこんなにも優しいのだろうか、鍾離は。
(早くっ、早く終わってよっ)
数日など刹那に等しいはずが、永遠にも等しいほど永い。
欲を孕んだ翡翠を隠すため俯くウェンティ。
すると聞こえるのは盛大な溜め息だ。