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狂戦士の誤算Ⅱ その後の話

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(でも『怒っている』というよりも、どちらかと言えば『拗ねている』雰囲気だよね)
 だから考える。彼が怒らないが拗ねる『浮気』とは何か?
(あ)
 程なくして辿り着く『正解』。
 ウェンティは誰かに見られても今更構わないと鍾離の手を握った。
「胡桃に嫉妬したんだ?」
「目の前で自分の番が他者の手を取ってなんとも思わないと思うか? この俺が」
 お前の『友人』相手に嫉妬心を抑えられず、戦いを挑んだ矮小な心の持ち主だぞ。
 そんな自虐を続ける鍾離には笑ってしまうというものだ。
「だって仕方がないじゃないか。手を差し出されていたんだから、断るのも相手に恥をかかすことになるでしょう?」
 相手は女の子。素直に応じるのが大人としての振る舞いというものだ。
 善意に応えただけでそれ以上の感情は持ち合わせていないと弁解すれば、当たり前だと睨まれた。
「くそっ……、忌々しい『制約』だ……」
「何度も言うけれど―――」
「分かっている。これは俺の自業自得だ」
 だが、分かっていても腹立たしい思ってしまうのだからどうしようもない。
「なるほど。だから胡桃は変な顔をしていたのか」
「どういうことだ?」
「ボクが手を取ったことが意外だったんだろうね。きっと君が止めると思っていたんじゃないかな?」
 先の物言いたげな視線はそう言うことかと納得できた。
 そう言って笑うウェンティに鍾離は繋いでいない方の手で顔面を覆い隠した。
「はぁ……」
「そんな盛大な溜め息を吐かないでよ。傷付くじゃないか」
「お前が愛らしいせいだろうが。くそっ、『契約』が終われば、覚悟しておけっ」
 余裕の無さを表すように口が悪い鍾離からの『脅迫』にウェンティは胸を高鳴らせ、唇を食む。
 早く。早く時間が過ぎて欲しい。
 後少しで彼と―――愛おしい番と、求め合って互いを貪るように愛し合うことが出来るのだから。
「……頼むからそんな愛らしい顔をしてくれるな。抑えが利かなくなる」
「だってぇ……」
 お願いだから、そんな瞳で見ないで。
 欲望を隠しきれない琥珀で見つめられただけで、身体は甘く疼いてしまうから。



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2025-10-28 公開



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