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(『嘘』って何? もしかして、『約束』は今日終わりじゃなかったの?)
いや、そんなはずはない。鍾離と二人、指折り数えていたのだ。間違えるわけがない。
きっとタルタリヤが勘違いしているに違いない。
一瞬とはいえ血の気が引く思いをしてしまった。だって、あと一日ももう耐えられないから……。
「『契約』は一ヶ月のはずだ。……後10分であの勝負から一ヶ月。何か間違っているか?」
「いや、そうじゃなくて。俺は昨日で『一ヶ月』だと思っていたから」
「何?」
「え?」
「いやいや。普通時間まできっちり覚えていないよ? だから『勝負した日から一ヶ月』って俺は思っていたから、昨日で『契約終了』。日付が変わって直ぐにウェンティ君は鍾離先生に『触られた倒されている』って思っていたんだけど」
今日は二人の仲睦まじさを見せつけに来たのかと思っていた。なんて、何処から突っ込んでいいのやら。
認識のズレに閉口している鍾離。日付が変わってから今までの我慢は一体……なんて思っているに違いない。
だってウェンティもそう思っているのだから。
「えっと……、なら『約束は果たされた』ってことでいいの、かな……?」
「勿論。ああでも、二人が後10分? 我慢するって言うのならご自由に――――」
「うぐっ」
ケラケラ笑っていたタルタリヤの姿が突如消える。
短い呻き声は身体を締め付けるような圧迫感に思わず口から零れたものだった。
(く、くるしぃっ)
ブラックアウトした視界と身体を締め付けるような圧迫感とぬくもり。
鍾離に抱きしめられたと理解するまでに時間はかからなかった。
(モラクスっ、もらくす、)
「くるしぃ……」
「! す、すまんっ」
身体を締め付ける圧迫が緩み、息がしやすくなる。
ケホッと咳込みながら顔を上げれば、心配そうな鍾離が目の前に。
腰に回されたままの腕は力強く、優しい光の琥珀色の奥には確かな欲情が揺らめいていた。
(あ……、キス、される……)
近付いてくる精悍な顔立ち。
この一ヶ月、キスをしていなかったわけではなかった。でも、『約束』に従い全て自分からだった。
つまりウェンティにとって、このキスは待ちに待ったものと言っても過言ではないもの。
だから翡翠を伏せてしまうのは、当然のことだ。