TREMOLO [ANNEX]

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狂戦士の誤算Ⅱ その後の話




 

 

「まだ一日目だから頑張ってね」
「分かっているよ。約束は『約束』だからね」
 良い笑顔を向けてくれるタルタリヤに、無茶苦茶な鍾離の振る舞いに彼は相当腹を立てていたようだと肩を落とすウェンティ。
 本当は彼の機嫌を伺いながら自分からの接触はセーフにしてもらえないだろうかと交渉するつもりだったのだが、止めておいた方が良さそうだ。
(もぉ! 自分に懐いてくれている子が此処まで怒るとか、モラクスってば本当、何したのさ!!)
 先を歩くタルタリヤは、一矢報いることが出来て良かったと上機嫌。
 『愛されているね』と茶化してくる青年に感情の籠っていない感謝を返せば、これまた楽しそうに笑われてしまった。
「怒らないでよ、ウェンティ君」
「怒ってないよ。鍾離先生は本当に君に酷いことをしたんだなと思って申し訳なかっただけだよ」
「あはは。本当に仲が良いよね」
「そう?」
「ああ。だって本来はウェンティ君が申し訳ないと感じる必要なんて全くない事じゃないか。それなのにそうやって俺に対して思うってことは、鍾離先生のミスは自分のミスと思ってるってことでしょ?」
 そうやって支え合う姿はまさに『家族』そのものだよ。
 タルタリヤの言葉に目を瞬かせるウェンティは、青年の言葉を反芻する。自分達の関係は人から見れば『家族』になるのか。と。
「『家族』でしょ。『夫夫』ならさ」
「君からはボクたちが夫夫に見えるの?」
「俺だけじゃなくて璃月の人達はみんなそう思っているよ。だから俺は『間男』なわけだし」
 二人がただの恋人同士なら自分がそう呼ばれることは無いとまた笑うタルタリヤ。
 確かにと納得するウェンティは肩を竦ませると青年の名を改めて呼んだ。
 立ち止まるタルタリヤのもとへと歩み寄ったウェンティは、不思議そうな顔をしている彼に頭を下げた。
「ウェンティ君?」
「ボクの鍾離先生が迷惑かけてごめんなさい」
「! ふはっ! いいね。まさに『奥さん』って感じだよ、今の!」
「期待に添えたようで良かったよ」
 大笑いする青年は、友達の旦那が嫉妬深いと分かっていなかった自分も悪いからと謝罪を受け入れる。
 そして、笑い過ぎて目尻に浮かんだ涙を拭いながら、改めて『友達』として気を付けるとウェンティへは勿論、鍾離へも配慮すると言ってくれた。
「そうしてもらえると助かるよ。きっと向こう一ヶ月はずっとイライラしているだろうから」
「了解。毎日ウェンティ君をランチに誘うのはやめておくよ。俺もイライラし過ぎた鍾離先生に八つ当たりされたくないからね」
「自業自得なんだけどね?」
「それはそうだけど。でも、俺も命は惜しいからさ」
 きっと鍾離の事だ。一ヶ月は耐えるに違いない。だが、その後同じことが起こらないとは正直思えない。何故なら、彼はウェンティを深く愛しているから。
 そんな分析をしてくれるタルタリヤにウェンティは肩を竦ませ、とりあえず今日のランチが終わったら次一緒に昼食をとるのは早くとも一週間後になる事を伝えた。



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2024-12-24 公開



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