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飽きることなく何度も何度も互いを求め合った鍾離とウェンティは、気が付けば外が暗くなっている事に顔を見合わせ笑い合った。
流石にこれは如何なものかと言葉を交わしながらも口づけを止められない二人。このままでは次の日までこうやって愛し合ってしまいそうだ。
今日はともかく、明日はきっと仕事があるだろう鍾離を気遣い、名残惜しいが中断を提案するウェンティ。
だが、ウェンティよりも遥かに体力がある鍾離は問題無いと言って応じることは無く、その後も愛され続けてしまう。
かつて武神と呼ばれた男のスタミナは底無しで、同じく人外とはいえ彼に敵わないウェンティの体力は夜更けにはとうとう尽きてしまった。
ベッドに突っ伏し、小指一本も動かす力が残っていないとたどたどしい呂律で隣で横になっている恋人に訴えれば、疲れるどころかむしろ絶好調と言わんばかりにはつらつとした鍾離は髪を撫でながら労いの言葉を掛けてくる。
少々羽目を外し過ぎたと反省の言葉を口にしているくせに、その表情は実に晴れやかなもので笑ってしまう。
せめてもう少し取り繕うようアドバイスを投げるも、これでも取り繕っている方だと返され、それには思わず声を出して笑ってしまった。
「いたたっ……、わらうとこしにひびくぅ……」
「すまん。痛みがマシになるよう撫でてやろう」
「そういってまたえっちにもちこむきでしょ?」
「今のお前を見て流石にそんな無体を強いる気は起こらないから安心しろ」
流石に夜明けまでは我慢できる。
そんな言葉が続き、夜明けにまた抱かれるのかと恋人に視線を贈れば、鍾離からはそれはそれは良い笑顔が返ってきた。
「一晩休めば、回復するだろう?」
「そりゃ、するけどね?」
「なんだ? 何か言いたそうだな?」
言いたいことがあるなら聞いてやるぞと言う鍾離だが、その表情は実に楽しげでウェンティの言いたいことを分かっていての言葉なのだろう。
毎夜抱いても足りないと言わんばかりに隙あらば求めてくる鍾離。
彼に愛されることも求められることも嬉しいウェンティは、呆れながらも笑い、エッチな恋人のためにもう少し体力をつけようと思ったり。
答えに満足した鍾離から齎される優しいキスを享受して幸せそうに笑うウェンティ。
だが、心の奥底が少しだけ重くなる。
(モラクスはボクだけって言ってくれてるけど、でも―――)
抱く不安は、不貞を疑うものではない。自分と出会ってからは、鍾離が自分だけを愛してくれている事は嫌という程伝わっているから。
それでもウェンティが覚える胸の痛み。それは自分と出会う前に彼に愛された『誰か』への嫉妬だった。
現存する中では最古の魔神と呼ばれる鍾離は、ウェンティよりもおおよそ三〇〇〇年長く生きている。
彼と初めて出会った時の年齢にさえまだ到達していないウェンティは、自分と出会う前に彼が愛した存在がどうしても気になってしまう。
勿論、出会う前の―――過去のことだと分かっているし、それに対して鍾離を責めるつもりは微塵もない。
微塵もないが、それでも彼に愛されたことのある存在を疎ましいと思ってしまうことは許して欲しい。自分は鍾離だけだが、鍾離はそうではないのだから……。
(もっと早く君に出会いたかったな……)
優しく抱きしめてくれる恋人の腕に抱かれ眠りにつくウェンティは、恋人の全てが欲しいと思うなんて随分強欲になったものだと自分の嫉妬深さに呆れてしまう。