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「カップを片付けたら、話の続きを聞いてくれるかな……?」
ひとしきり笑ったウェンティが見せる物憂げな表情。それは息を呑む程美しかった。
モラクスはまだ生まれてたった十数年しか経っていない。
しかし、その十数年の間もこれほどの美しい存在に出会ったことは無かった。
そしてこの先もこれ以上の存在に出会うことは無いだろうと確信し、胸が締め付けられた。
(俺の、番……)
ウェンティは鍾離の番だ。そして、ナヒーダの話が正しければ、鍾離はモラクスの未来だ。
つまり、モラクスの今目の前にいる存在は、彼の未来の番に他ならない。
(ウェンティは、俺のモノだ)
鍾離と自分が同一の存在であるということは分かっていた。
自分が生まれた世界と今いるこの世界が同一であるということも、理解していた。
そして鍾離とウェンティが番であることも、嫌という程知っていた。
それなのに、何故今まで気付かなかったのだろう?
モラクスが感じるのは胸の高鳴り。己の『唯一』と出会えたことへの喜びと興奮に、感情は一気に昂った。
「……やっぱり、ダメかな?」
「! ち、違う!」
自分の番の美しさに見惚れて反応が出来なかっただけだ。
なんて歯の浮く台詞を口にすることなどまだまだ若いモラクスには出来るわけがなかった。
唐突に自覚した『繋がり』に顔を赤らめつつもあたふたしていれば、ウェンティは驚いた表情を見せ、そして微笑んだ。
「ありがとう。待ってて。直ぐに片付けるから」
「―――っ」
最後まで説明するチャンスをくれてありがとう。
そう言ったウェンティの笑顔に、胸が締め付けられるモラクス。
口から心の臓が飛び出てきそうだと服を鷲掴むも、風を使役して割れたカップを片付けるウェンティから目が離せなかった。
(ウェンティが―――俺の番が、俺を呼んだ理由はなんだ……?)
ドクンドクンと命が全身を巡る脈動を感じながら、考える。
今、自分がこの場に居る『意味』を。
(あの女は『ウェンティが』俺を『呼んだ』と言っていた。そして、ウェンティもそれを認めた)
考えるよりも先に高鳴る胸は、確かな『期待』だった。
もしかするとウェンティは未来の自分ではなく、過去の――今の自分との『繋がり』を望んでいるのではないだろうか?