あなたは18歳以上ですか?
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(そうそう。君は口では厳しいことを言いながらも本当は凄く優しいんだよね)
彼の好きなところを再確認して嬉しくなる。
感じた幸せを噛みしめれば、無性に甘えたくなった。
手を伸ばし、『起こして』と強請るウェンティ。
手を掴んだ恋人は望み通り強い力で引っ張り上げてくれる。
そして願った通り、そのままぎゅっと抱きしめ腕の中に閉じ込めてくれた。
(やっぱりモラクスは最高に最高な恋人だ)
覚える安らぎ。無意識にほぅっと息が漏れるのは、いつもの事。
「ブエルは?」
「問題は解決したからこの後は気ままに璃月観光してスメールに帰るらしい」
「そっか」
「お前によろしくと言っていた」
「ん。後からお礼の手紙を書くことにするよ」
「ああ。それがいい」
もぞもぞと身じろぎ落ち着く場所を探していれば、抱きしめる腕に力が籠った。
『離さない』と言わんばかりの力強さ。『モラクス』が居なくなって抑えていた独占欲が暴走しているのだろうか?
心配しなくても鍾離だけだよと伝えたい。
厚い胸板に埋めていた顔を上げれば、苦しげな鍾離と目が合った。
「そんな顔をしなくても、ボクには君だけだよ……?」
「分かっている」
「なら、どうしてそんな顔をしているんだい?」
折角の男前が台無しだよ?
なんて軽口交じりに手を伸ばせば、縋るように掌に頬を摺り寄せてくる鍾離。
「モラクス……、ねぇ、本当にどうしちゃったのさ?」
「すまない……、ただ感情の整理が追いつかないだけだ……」
甘えられているわけではないと感じるのは、その表情から。
ウェンティはもう片方の手も添え、恋人の頬を包み込む。
「あの子が居なくなって、淋しいの? それとも―――」
「本来の場所に戻ったアレに対して思うところは何もない。むしろお前との時間が削られずに済んで清々している」
「? なら、何が君を混乱させているんだい?」
『過去』の自分に対する哀愁ではないと言うのなら、何を戸惑う必要があるのだろう?
「………………記憶を、取り戻した」
「ん? 何? 『記憶』?」
何の話をしているの?
そう尋ねようとしたウェンティだが、言葉を止め翡翠を大きく見開いた。
(まさか……、まさか―――)