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「えっと、それは、その……」
「察しが悪い奴だな。俺は『此処はお前が居た世界から遥か未来の世界だ』と言ったはずだが?」
ウェンティがどう説明しようかと考えあぐねていれば、隣から聞こえるのは呆れたと言わんばかりに声で、あまりにもな説明ばかりする鍾離に「ちょっと!」と流石に注意を飛ばした。
しかし鍾離はその注意にもどこ吹く風と応じることは無く、幼子を威圧する眼光で見据えている。
ウェンティは頭痛がすると愚痴を零し頭を抱え、幼子の心中を思い哀れんだ。
(目が覚めたらいきなり見知らぬ場所で、しかも素性も分からない二人組がいて訳の分からないことを言ってきたら誰だって混乱するからね??)
過去の自分だからと言って邪険にし過ぎだ。
恋人に呆れていれば、「まさか……」と驚愕に満ちた声がする。どうやら幼子は自分と目の前にいる二人組の片割れとの関係を理解できたようだ。
「まさか、お前が俺だと言うのか!?」
「そうだ」
嘘だと言ってくれと言わんばかりの悲痛な声を一刀両断する鍾離は腕を組み、幼子を更に威圧した。
「お前が今この場にいる理屈は分からんが、俺とお前が同一であることだけは確かだ」
「もう! いい加減にしなよ! この子は君なんだよ? それなのにどうしてそんな顔するの!!」
「お前が気にかけるからに決まっているだろうが」
「あのねぇ!!」
やっぱりただの嫉妬だったのかと怒るウェンティだが、鍾離はそれをどこ吹く風と全く悪びれない。それどころか、浮気心を許すのは1度だけだと凄んでくる始末だ。
ヤキモチ妬きな恋人に頭を抱えていれば、これまた戸惑いを含んだ幼子の声が聞こえた。まさかお前は俺の番なのか? と。
「あ、えっと実は―――」
「お前のではなく俺の番だ。弁えろ糞餓鬼が」
「ちょ、モラクス!!」
実はそうなんだ。と言葉を肯定しようとしたのだが、それを遮るように抱き寄せられてしまった。
自分のモノだと勘違いするなと幼子の認識を訂正する鍾離の腕の中、ウェンティは恥ずかしいと身じろいだ。
人前で抱擁を交わすことはそれなりに慣れたが、今のこの状況で平静を保てるほどの大胆さはまだ持っていない。
しかも目の前にいるのは、幼子。いくら恋人と同じ存在だと言ってもウェンティにとっては全く別の存在なのだから、羞恥を覚えても何ら無理もないことだろう。
「お前が此処にいる原因を探し、元居た世界に戻る手助けはしてやる。だが、間違ってもこれに手を出そうと考えるなよ? いくら同一の存在とはいえ俺とお前は別物だということを忘れるな」
「勝手に話を進めるなっ!! 俺がいつそいつに興味を抱いたと言うんだ!!」
趣味の悪いお前と一緒にするな!
そう噛みついて来る幼子の言葉にダメージを受けるのは鍾離ではなくウェンティだ。
恋人とは別の存在だと言えども、彼の面影を持つ少年に面と向かって拒絶されるのは正直辛かった。
「酷いなぁ」
精一杯の強がりで笑ってみせるものの、きっとほっぺたは引き攣ってしまっているだろう。