あなたは18歳以上ですか?
18歳未満の方の閲覧を固くお断りいたします。
鍾離が再び視界を取り戻した時、目の前にいる恋人の姿は昔のそれだった。
白い陶器のような肌の滑らかさは変わらないが、その胸元に刻まれた風の文様は彼の瞳色に輝いていて、存在の美しさを際立たせている。
鍾離は満足気に笑みを浮かべ結われた髪に手を伸ばすとその先端に口付けを落とし、形の良い唇を開いた。
「契約は果たされた。お前の望み通り昔のように抱いていやる」
「これが君の色に変わるまで?」
「お前が纏う風を岩で覆い尽くすまで、だ」
風の文様をなぞるウェンティの妖艶な笑みに、鍾離も色香を纏い応える。
数日は離れていてもナカに自分を感じるほど愛してやると言いながら首筋に唇を落とす鍾離に、その髪に指を絡ませながら恋人を抱きしめるウェンティは期待に胸を高鳴らせ上擦った声を響かせた。
首筋に幾度も落とされる口づけ。それは強く吸い付き、白に赤を散りばめてゆく。
「んっ、モラクス、くすぐったいよぉ」
「嘘を吐くな。こんなに期待しておいて『くすぐったい』とは笑わせてくれる」
「もぉ。デリカシー無いんだからぁ!」
「それはお前だろう? 快くしてやろうとお前に尽くしている俺に隠し事をしようとしているんだからな」
「! あぁっ! やぁっ、おっぱいつねっちゃやだぁ」
『痛い』とまた嘘を吐くウェンティ。
嬌声と呼ぶべき甘ったるい啼き声は痛みではなく快楽を覚えていると物語っているのに、何故また嘘を重ねるのか。
首筋から顔を上げる鍾離は「素直になれ」と黄金色を細め恋人を促す。するとウェンティは「だってぇ……」と恥じらうように翡翠を伏せてしまう。
「バルバトス?」
「ごめん……、なんだか、本当に昔に戻ったみたいですごく恥ずかしいぃ……」
言い終わる前に顔を真っ赤に染め上げ両手で覆い隠すウェンティの体躯は羞恥にプルプルと震えている。
白い肌は櫻色に高揚し、体躯に刻まれた風の文様が心に呼応するように輝きを増している様な気がした。
腕の中で身悶えている恋人の姿に鍾離は驚き目を見開くも直ぐに愉悦に顔を歪めおもむろに愛らしい顔を隠す腕に舌を這わせてやった。
「! もぉ! 何するの! びっくりしたじゃない!」
「お前が隠そうとするからだ。そもそも今更何を恥じらう? 俺はお前の全てを暴き尽しているんだぞ?」
欲を知らぬ無垢だったお前を淫らにしたのは誰か忘れたか?
そう言って口角を持ち上げ尋ねてくる鍾離の眼光は好物を前にした捕食者のソレだった。
自分を喰らおうとしている猛獣の前に無防備に放り出された小動物さながらに体躯を震わせるウェンティ。
だがそれは、喰らわれる恐怖ではなく、早く食べてという期待によるものだとウェンティは知っていた。
「答えろ、バルバトス。お前を堕としたのは誰だ?」
「そんなの、モラクスに決まってるじゃない。……ボクはモラクスしか知らないんだからね?」
キスもハグもエッチも全部、鍾離とだけ。大切なこの体躯に触れていいのは今も昔も心から愛している君だけなんだから。と。