TREMOLO [ANNEX]

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風神が嫉妬する話

23



 とめどなく溢れる想いのまま口付けを交わす二人。
 離れた唇が名残惜しく、触れ合うことの喜びを教えてくれた人を見上げるウェンティは彼の姿を確かめるように手を伸ばした。
 伸ばした手を掴む鍾離はその掌に口付けを落とし、「休憩は済んだか?」と口角を持ち上げた。
 まだ愛し足りないと暗に言ってくる恋人の体力は本当に無尽蔵なのだろうか。
 ウェンティは彼の背後に瞬く星空を視界に入れながら、「こんなの休憩にならないよ」と苦笑した。だって、自分達の身体は繋がったままなのだから。
「仕方ないだろう? そもそも抜こうとする度『行くな』と引き留めるのはお前だぞ、バルバトス」
「イってすぐは止めてって言ったけど『抜いちゃダメ』とは言ってないよ」
「タイミングの問題だと言うのか? なら、今締め付けてきているのはどう受け止めればいい?」
 覆いかぶさっていた体勢から上体を起こす鍾離は、視線を自分達を繋ぐ箇所へと移動させる。雄を丸呑みする下の口がきゅうっと締まるのは羞恥のせいだろうか? それとも?
 まじまじと繋がりを凝視する鍾離。ウェンティが「モラクスの変態っ」と非難の声を上げるのはそれからすぐのことだ。
「今更だな。もっとも、その変態に好きにされて善がっているのは誰だ?」
「もう! そんな風に意地悪言うなら、これ以上はしないからね!?」
「それは困る。萎えるまで付き合ってくれるんだろう?」
「それ、一晩じゃ無理でしょ」
「どうかな。……お前が巧く搾り取ってくれれば、あるいは?」
「! ちょ、はなしのとちゅぅっ、あぁっ、ね、しゃべ、喋れないってばぁぁ」
 いきなり再開される抽送に声が上擦り言葉が嬌声に変わってゆく。
 『待って』と制止を求めようにも的確にイイところを突かれてはもう駄目だ。
 ウェンティは上体を捩り生まれる快楽の波に身悶える。
 逃しきれない快楽にウェンティはぎゅっと目を閉じ顔を背けて必死に正気を保とうとした。だが、不意に鼻腔を擽る愛しい人の匂いに脳が痺れ、気が付けば己の背に敷かれた恋人の上着を握りしめて頬を摺り寄せていた。
「随分愛らしい様を見せてくれるな」
「モラクスっ、ダメ……、きもちぃっ」
 恋人の上着に縋るように身を捩りしがみつくウェンティは気づいていない。己が今鍾離を求め淫らに腰を振っていることに。
 既に何度も恋人の胎に種を吐き出している鍾離だが、自分が望んだ通り子種を搾り取ろうとする内壁に思わず息を呑んだ。
 上着に顔を埋め、その匂いを嗅いで胎を蠢かせるなんて、なんてセックスアピールだろうか。
「まったくっ、どう見ても俺よりもお前の方が性質が悪いぞっ」
 欲情するなという方が無理な話だ。鍾離はウェンティの両足を揃えて抱えるとより深く己の腰を押し付けた。
 繰り返される抽送。先に注いだ愛は引き抜く度に溢れてくる。
 『愛』を零すなんて悪い奴だと言葉で詰られれば、嫌だと声を震わすウェンティ。鍾離の『愛』を零したくないと更に雄を締め付けてくるのは無意識か?
「安心しろ。零れた分も―――いや、それ以上に注いでやる」
 奥へ奥へと欲望のまま腰を打ち付けていた鍾離。増すばかりの快楽にウェンティの声も更に艶掛かった。
 このまま互いが果てるまで愛し合うのだろうと二人とも思っていたはずだ。
 だが、鍾離の耳に届くのは遠方で枝が折れる音。それは恋人に注いでいた意識を周囲に向けるには十分なものだった。



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2023-09-22 公開



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