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鍾離は腰の動きを止め、意識の範囲を広げて周囲の様子を窺う。
音の出どころはまだ離れているとはいえ、それがこちらに向かってきているのであれば放っても置けない。
彼の下には快楽に蕩けて淫らな様を見せるウェンティが居るのだから。
「もらくす、うごいて……、ねぇ、ねぇってばぁ……」
「! 相変わらず堪え性のない奴だな」
「もらくすのせい、ぼく、えっちなこと、なにも、しらなかったんだからぁぁ」
より強い快楽を求めて大きく開いていた足を鍾離の腰に巻き付けるウェンティは、その動きで善いところを擦ったのか甘い声を響かせ背中をしならせる。
それでも足を解こうとしない姿に鍾離は出所不明の音など無視して恋人との情事に意識を戻そうとした。
しかし、また聞こえる音。今度は枝の折れる音ではなく、人の話し声だ。
先と同様、距離はまだ離れているためおそらく向こうはこちらに気付いてはいないだろう。しかし確実に枝の音がした箇所よりも近づいていた。
此処は鳴神大社に続く参道。夜とは言え、訪れる者が居ても何ら不思議ではない。こんなにも美しい夜櫻が迎える道ならば、わざわざ日中を避ける者も居るかもしれない。
「参ったな」
鍾離は忌々し気に表情を歪め、背後を振り返る。
恋人に熱視線を注いでいたウェンティはその一連の姿を見て力の入らない腕を伸ばして鍾離のはだけた前身ごろを掴むと重力の力を借りて引き寄せた。
ウェンティにとって渾身の力でも、鍾離にとっては大した力ではなかった。しかし、彼を溺愛している男が呼びかけに応えないわけがない。
「なんだ?」
「えっちのさいちゅーによそみっ」
愛らしい仕草に表情を緩ませ意識を戻せば、涙目で此方を睨んでいる眼差しとぶつかった。
鍾離が覚えるのは言葉にできぬ劣情だった。
根元まで埋め込まれた男の欲を締め付け、それでも足りぬとばかりに足を絡ませ離れぬようホールドしてくる恋人は、自分に集中しろと言ってくる。
集中されて三日三晩抱き潰されたことを忘れてしまったのだろうか?
むしろ忘れていないからこその言葉だろうか?
鍾離は睦言の最中の不躾な態度を詫びると腰を緩く動かしてやった。
奏でられるのは嬌声で、それはなんと艶やかなことか。
「悪かった。何者かがこちらに向かっているようでつい気が逸れた」
「んっ、ど、いうこと?」
「声が三つ、近づいてきているだけだ。気にするな」
「えっ!? ! んっ、ちょ、ちょっとま―――っ、ん、あぁ!」
「余所見をするなと言ったのはお前だろう? 見せつける趣味は無いが、他ならぬお前の望みであれば致し方ない」
緩慢だった腰の打ち付けは激しさを増し、おびただしい快楽が襲ってくる。
ずっと擦られて熱を孕んだ内壁は男の動きに燃え上がり、ウェンティの意志とは別に絶頂へと向かいうねり、震えた。
このまま揺さぶられれば、やがて自分果てるだろう。これが普段なら、期待に胸が躍るところだ。
しかし今日は違う。ここが野外だと言うことをすっかり失念していた。
他者が近づいていると言いながらも攻め立てる動きを緩めない男に制止を求めるのは、他人に行為を見られたくないから。自身の情けない姿に対する羞恥ももちろんあるが、何よりも二人だけの『秘密』を誰かに共有することが何よりも嫌だった。