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(……あれ……?)
ウェンティが甘い余韻が残る体躯に異変を覚えたのは、目の前を飛ぶ星が薄くなった頃だった。
状況を把握しようと何度か瞬きを繰り返して視界を鮮明にすれば、眉間に皺を刻んだまま自分を見下ろしている男と目が合った。
胎に感じる熱い流動に鍾離も果てたことを知ったウェンティは、「ここ、どこ……?」と快楽に痺れたままの唇を動かし恋人に尋ねる。
先程まで、自分を包んでいたのは鍾離の上着だけで薄い布地の下は草木生い茂る大地だった。それなのに今自分を包むのは恋人の上着とふかふかのベット。
蕩けていた思考ではこの刹那に何が起こったのか理解できずにいるようだ。
「俺の洞天だ」
「ど、てん……。洞天って仙力でつくったあの……?」
「そうだ」
ちゅっと額に鼻先に落ちてくる唇を受け取りながら、恋人の背中越しに見える景色が空ではなく璃月調の建物特有の天井であることを確認するウェンティ。
どうやら限界を迎える直前に恋人が力を使ったのだろう。おかげで大した衝撃もなく空間に連れ去られたおかげで自分は気付かぬまま快楽に身を任せて果てることができたようだ。知り合いにも痴態を見られず済んだようで、そこは安堵しておこう。
だが、こんな便利な空間があるのなら最初から此処に連れてきてくれればよかったのにとウェンティが恨めしく思うのは当然だ。あんなエッチは二度とごめんだと思う程恥ずかしかったのだから。
「そう睨んでくれるな」
「最初から連れてきてよね」
ご機嫌を取るように唇を啄んでくる鍾離からは行為の最中のような意地悪い表情は消え、いつもの穏やかで優しい彼に戻っていた。
自分も直前まで忘れていたという言葉の信憑性は定かではないが、大好きな人から懇願されればやっぱり弱い。
ウェンティは不機嫌を貫けず、男の首に腕を回して抱き寄せた。
「見せつける趣味はボクにもないからね」
「分かっている。アレはまぁ、そう言えばお前が恥じらうと思ったから言った言葉だ」
「悪趣味だ」
「仕方ないだろう? 恥じらう姿もお前は愛らしいのだから」
啄むキスは何度も何度も降ってくる。
喋り辛いことこの上ないが、ウェンティがそれを止めずに頑張って合間合間に言葉を交わすのはやはりそれが心地よいからだろう。
「最初から、見せる気はなかったんだよね?」
「当たり前だろう? 何故俺だけの姿を他に見せてやらねばならない? 愛され乱れるお前の痴態を見ていいのは俺だけだ」
「バカっ」
「声も聞こえてはいないだろうから安心しろ。誰にも分け与える気はないからな」
俺の独占欲は既にその身を持って実感しているだろう?
そう満足気に笑う鍾離。ウェンティは苦笑を漏らすも『自分だけ』と思わないでもらいたいと恋人の唇に噛みついた。
知り合いに愛し合う様を見られるのは嫌だ。それは嘘じゃない。だが、それ以上に人格者で通っているこの存在が本能を剥き出しに自分を求める様を他者に見せたくなかった。
ありのままの彼を見ることができるのは、自分だけで在りたい。それは紛れもない独占欲だ。