TREMOLO [ANNEX]

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二五〇〇年越しの夜

17



「バルバトス?」
「やだっ、やだぁ」
 弱々しい力で手を握って来るウェンティに鍾離は困惑する。
 『嫌だ』と『止めて』と声を途切れさせながらも訴えてくる姿に、痛みのあまり錯乱状態に陥ってしまっているのかもしれないと思い至る鍾離。
 しかしそれは無理もないことだろう。ウェンティは身体が傷付くことを極端に嫌っているため、痛みにもめっぽう弱かった。
 数千年もウェンティを見てきた鍾離がそれを知らないわけもなく、それほどまでに痛い思いをさせてしまったことを申し訳ないと思う。
 一方で、こんな状況なのに恋人のナカに挿入らんとしている己の男根は萎えることも無く、むしろ猛々しく荒ぶっている。
 恋人の秘所に触れる亀頭は今も猶、僅かにだが侵入を進めているため痛みは増す一方だろうに。
 鍾離は大丈夫だとウェンティの手を握り返し、今から痛みを消す為に仙力を使うだけだと説明した。これ以上痛い思いはさせないから安心しろ。と。
 しかしそんな鍾離に返ってくるのは「やだ」の声。表情を歪ませ、瞳に溜まった涙が今にも零れ落ちそうになっている。
 拒絶の言葉は、何に対するものなのか。それが分からず恋人を宥めるように極力声色を穏やかに尋ねれば、ウェンティは何故か力を使うなと言ってきた。
「何故だ? っ、これは酷い痛み、だろう?」
「それでも、いいっ。モラクスだけ、はじめて、モラクスだけがいいぃ……」
 ヤダヤダと弱々しくも首を振って意思表示するウェンティの言葉に、鍾離は胸を熱くする。
 誰よりも何よりも大切な存在である恋人が自分と同じ思いでいてくれたとは正直思いもしなかった。
 それ故、彼は改めて心に決めた。必ずこの運命を―――この愛おしい存在を自身の番とし、生涯守り愛しもう。と。
「お前は、痛みが苦手だろう……っ?」
「それでも、いぃ、モラクス、モラクスおねがいぃ」
「っ―――、分かったっ。……すまないっ、後で必ず埋め合わせはするっ」
 自分が不慣れなせいだと詫びながら腰を押し進める鍾離。
 限界まで広がっていた孔を更に押し広げれば、ウェンティの身体を襲うのは身を裂くような痛み。
 だが、悲鳴を殺すように唇を強く噛みしめそれに耐えるのは他ならぬ鍾離のためだ。
 愛しい彼がくだらない罪悪感を抱かぬように、口が裂けても痛いなんて言ってやらないから。と。
 声も悲鳴も噛み殺すウェンティは、後で絶対先の失言を責めてやると心に誓う。
(モラクスのバカっ! 慣れてないから嬉しいのに何でわかんないかなっ!)
 誰彼構わず抱いて欲を発散させているような男に、大切な体を預けるわけがない。
 誠実な彼だからこそこの体躯を全て任せられると思っているのだから、それを裏切っていればよかったなんて言わない貰いたい。
「っ、くっ、……、バルバトスっ、頼む、もう少し力を、力を抜いてくれっ」
「うぅっ、む、りぃ……、もらくす、の、ばかぁっ! な、でそん、おっきぃのぉ」
 必死に呼吸をしようと言葉を紡ぐウェンティは、恋人の興奮を喜びながらもその質量を詰ってしまう。



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2024-03-15 公開



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