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(モラクス、好き……。ずっとずっと、モラクスだけが好きだよ……)
心変わりしてしまったと勘違いして遠ざけた存在。己の心を護るために、嫌いになろうとしたことは何度もあった。でも、その度に思い知らされた。鍾離以外――モラクス以外、愛せない。と。
それが悔しくて、悲しくて、心の奥底に沈めてしまった想いは、閉ざした心の奥で猶、育っていたようだ。
溢れてくる想いが苦しくて、胸が押しつぶされてしまいそうだと感じるウェンティ。
こつんと額に触れるのは鍾離のそれで、どうして泣いているんだと辛そうな声がかけられる。
狂おしい程愛しているから、触れたいと願う。だが、それでウェンティが苦しむのなら、想いが追いつくのを待つと言ってくれる優しい人。
こんなにも欲情しているのに、それを自分のために耐えると言う鍾離にウェンティがとる行動など、決まっている。
「モラクスが好きで、大好きで苦しいよぉ」
ぎゅっと抱き着いて早く愛して欲しいと鍾離を求めた。
悲痛な叫びに応えるよう噛みつくような荒々しい口づけを落としてくる恋人は、一々服を脱がす手間も惜しいとウェンティのシャツに手を掛け乱暴に左右に引き裂いた。
弾け飛んだボタンが床に転がる音は、ウェンティの耳には届かない。鍾離との口づけで忙しいからそれ以外のことなど気にも留めていられないようだ。
露わになった柔肌。白く滑らかなそれに触れるのは、鍾離の手。胸元に浮かぶ人外の証である文様を確認するようになぞられて、ウェンティの体躯は小さく跳ねた。
唇を離す鍾離が目にするのは、とろんと蕩けた翡翠と、口角から唾液を垂らして赤い舌を覗かせる淫靡な存在。
ごくりと咽喉を鳴らした男は恋人の胸元から手を退け、己の口にそれを移動させると人外であることを隠す為に身に着けていたグローブを噛み、人ならざる手を露わにした。
岩の文様が浮かぶそれを再び恋人の胸元に添えれば、先程は感じることができなかった温もりが指先から伝わってくる。
陶器のように触り心地の良い白い肌は、僅かに高揚を見せていた。
「期待しているか?」
「ん……、してる……」
「いい子だ」
今から愛を享受する覚悟を問われ、頷きを返すウェンティ。鍾離は満足気に笑い、琥珀を隠すよう瞳を伏せた。
元より精悍な顔立ちの彼だが、欲情の色香を纏った姿は格別だ。
ウェンティはドキドキし過ぎて浅くなる呼吸を必死に繰り返し、『早く』と叫ぶ心のまま彼の名を呼んだ。
呼応して再び開いた琥珀色。ウェンティを見つめるその眼差しは、欲に飢えた雄のそれだった。
「今日、お前を俺の番にする」
「『番』……。それって、夫婦になるってこと?」
「そうだ。お前は俺の番となり、伴侶となるんだ。今後俺から逃げられると思うなよ?」
何処へ逃げようとも必ず見つけ出すと笑う鍾離は、逃げる度に自身の番であることをこの体躯に刻み込んでやると口角を持ち上げた。
その言葉にウェンティは恋人に触れたいと手を伸ばし、告げた。そんなことを言われたら、逃げちゃうよ? と。
「だって逃げないと、刻んでくれないんでしょ?」
「! いいや。逃げても逃げなくとも、刻むに決まっている。お前は俺のモノだ、バルバトス。お前が俺の唯一だ」
伸ばされた手を取る鍾離はその甲に口づけ、誓う。この命が尽きようとも、愛している。と。